法律上は、葬儀の形式どころか、葬儀をしなければならないという規定もない。今のところ「何もしない」に近いのは、通夜も葬儀も告別式も行わず、火葬だけを行う方法だろう。「直葬」「密葬」などと呼ばれている(「密葬」は本葬や社葬の前に行う葬儀だが、このごろでは単独の場合でもこう呼ぶことがある)。従来は、遠方で死亡し、お骨にして故郷で葬儀を行うようなときのやり方だったようである。が、葬儀の簡略化傾向にともなって、近頃では「火葬プラン」などの名前でセットを組んでいる葬儀社もある。?役所に死亡届を出して火葬許可証をもらい、その場で火葬場の予約をする。?葬儀社に頼み、寝台車で遺体を自宅か火葬場に搬送する(火葬場には霊柩車でないと入れない決まりがあるが、自宅に搬送するならバンなどのマイカーでも可)。?その晩は自宅でゆっくりお別れをする相当の意味での夜伽である。火葬場の保管庫などに遺体をあずかってもらうなら、送る側はいったん帰宅する。?翌日、火葬炉の前で棺に花を入れるなどして短いお別れをし、火葬にして収骨する。葬儀をしないのだから、会場も祭壇も不要、必要なのは、遺体を搬送する車輛、遺体保護用のシーツ、棺、ドライアイス、火葬料、収骨容器(骨壷)、火葬許可証だけ。ある葬儀社のプランでは税込み一万二一五〇円だった。僧侶などの宗教者を頼む場合は、火葬炉の前での読経や祈祷となる(これは別途料金)。火葬場の保管庫に遺体をあずけても、火葬場によっては決められた面会時間に対面することもできる。葬儀は形じゃなくて心だと思うなら、そしてそれが精一杯のことならばこれでもべつに問題はないのだ。
恋愛で結ばれるのが理想ではあっても、見合いというシステムがなくならないのは、結婚が家と家との結び付きと考えてきた、日本ならではのしきたりがいまも続いているからといえそうだ。その見合いの仲介者は、お見合い相手の写真のほかに、相手の履歴や家族構成を記入した釣書と呼ばれる書類を持ってくる。写真は見合い用に写したもののほかに、本人の表情や生活ぶりのうかがえるスナップが添えられるのがふつうだ。お見合いしてみようと考えるなら、自分も同じものを用意して仲介者に渡し、両方の意思がそろったらお見合いの場が設けられることになる。縁談を持ってきてくれた人がいて会ってみようという気になり、きちんとした見合いの席が設けられることになったら……。いくら仲介者が親しい人だといっても、見合いの相手は初対面。清潔感のある服装で出かけなければならない。とはいっても、たとえば女性が振袖で正装してというのは、相手の男性とバランスがとれず、大げさすぎることも多い。男性は、せいぜい着飾ってもダークスーツか、ビジネススーツの中から上等のものを選ぶ程度。それに合わせるなら、和服の女性は、訪問着か付下げ、小紋の中から、見合いの場所や時間を考慮して選べばいい。ふだん着慣れた装いにすることが大事で、ヘアスタイルは派手にせず、化粧もマニキュアも香水も、すべて控えめにしておく。仲介者にも心づもりがあるだろうから、「何を着ていけばいいでしょうか?」とストレートに尋ねてもかまわない。
無言電話などのいたずら電話は会社あてにもあるものだ。自宅の電話なら怖くてすぐ切ってしまってもいい。しかし、会社の電話は注意が必要だ。こちらに音声が届いていないだけで、つながっている場合も考えられるからだ。とくに最近では、外出先から携帯電話で取引先に電話をかけるという場面も多くなった。しかし、携帯の電波は不安定だ。固定電話に声が届いていなくても、かけた側には聞こえていることもある。「もしもし……」「はい、○○社です……あれ、もしもーし……ガチャン」と切ってしまったら会社のイメージは落ちる。音声が聞こえない場合は、「申し訳ございませんが、こちらではお声が聞き取れませんので、失礼いたします」と言って電話を切れば、万が一つながっていた場合でも、「こちらとしては応対したいがどうしようもない」という誠意は伝わるはず。
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